非中央集権化が課題。Byteballの重要ノード、Witnessとは。
Witnessとは
Witnessとは、ByteballのDAGネットワークにおける重要なノードを指し、ビットコインでいうところのマイナーとその他ノードにあたると考えます。
ビットコインは各マイナーがマイニングを行い新しいブロックを生成し、ブロックの承認をその他のノードによって行いますが、Byteballの場合、各ユーザごとに設定している12人のWitnessが二重支払いを防ぎ、トランザクション(ユニット)の承認を行なっています。
またByteballのトランザクションには手数料がかかり、その手数料は設定されている12人のWitnessが報酬として受け取ります。Witnessは個人でも運用することができ、実際にByteballのサードパーティアプリの開発を推進されているYamaokaさんが一度Witnessの構築、運用のテストまで完了されています。下記ページによると、Witnessの稼働には2~3日で100000bytes程度コストがかかるようです。
Witness稼働手順 - Byteball開発者向け情報wiki
デフォルトWitnessはファウンダーによって運用
各ユーザの12人のWitnessの設定はデフォルトではByteballファウンダーであるTonychが運用しているWitnessとなっています。ここで実際に自分のウォレットを確認をしてみましょう。
1. 左上の「三」の部分をクリック
2. SETTINGSをクリック
3. Witnessesを選択
4. 12人のWitness一覧
特に変更をしていなければ下記Witness monitoringページにあるOperated by TonychのWitnessとなっているはずです。上記の例は自分のWitnessesリストですが、1つだけCashBack WItness(MEJGDND55XNON7UU3ZKERJIZMMXJTVCV)というWitnessに変更をしています。つまり自分で好きなWitnessに変更をすることができます。
Byteball Witnesses monitoring service
中央集権化したWitness
現状Byteballの問題点として、Witnessが中央集権化しているという指摘があります。
下記を見ると、現在15のWitnessが存在していますが、15人のうち12人はファウンダのTonychの運営するWitnessであり、1つはCashbcak Witnessで、残りは個人で運用されているWitnessのようです。これが中央集権化されていると言われる所以です。
また、ウォレットにおけるデフォルトWitnessの設定が全てファウンダーTonychのWitnessであるため、ほぼ全てのユーザの12人のWitnessがファウンダーによって運用されています。よって現状はファウンダーをトラスト(信頼)したネットワークとなっています。
これらデフォルトのWitnessたちはファウンダーから別の主体に運用を移行する予ですが、未定であり分散化への道のりはまだ遠いです。
また、個人でWitnessを稼働している方も散見されますが、現状インセンティブがないため、運用を停止されている方も多いようです。
Witnessの中央集権化はByteballの大きな問題点でありますが、逆にこの問題が解決する方向に進めば大きく躍進するポテンシャルがあると思います。
Witnessのインセンティブは
Witnessは選んでもらったユーザのトランザクションの手数料を受け取ることができます。ある日のファウンダー管理以外のWitnessを観察すると、一日65トランザクション程度でした。このトランザクション数ではランニングコストもかかるためWitnessを運営するメリットがあまりありません。
実際に計算をしてみると、ウォレットでByteballを送信するのに588bytes必要だったので、それを12人のWitnessで分割すると(実際に分割されるかは不明)、約50bytesになり、65をかけると3250bytesになります。2017年12月現在、1GBが30000円程度と考えると、1日に0.1円程度の収入になります。
多くのWitnessが生まれるためには手数料収入が増えること、つまりByteballのトランザクションが増えることとByteballの価格が上がることが重要です。
非中央集権化に向けた取り組み
一方、Cashback Witnessというサードパーティが運用しているWitnessがあります。
これは、ウォレット内の12人のWitnessの1つをCashback Witnessに変更することで、トランザクション時の手数料の一部が返ってくるというものです。ユーザー側に側にデフォルトのWitnessを書き換える動機を与えるサービスで、Witnessの非中央集権化(分散化)に一役買えるかもしれません。
しかしCashback Witnessを運営している方に確認したところ、現状金銭的なインセンティブに繋がらず、ただ非中央集権化に向けてWitnessを運用しているとのことでした。
まとめ
多くの方が指摘している通り、Byteballのネットワークは中央集権化しており、時折トランザクションの遅延が見られ問題も顕在化しています。分散化への取り組みも見られますが、Witnessを運営する金銭的なインセンティブは現状ないためなかなか難しい状況です。
これから非中央集権化に向けて解決しなければいけない課題としては、ファウンダーが運用する12のWitnessをどういった主体に譲渡していくのか、Witnessを運用する他の主体が多く生まれることです。これらの課題に対して進展があればTwitterや本ブログでアップデートしていこうと思います。